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Lord of Magic Championships 2006


ラウンド 2: 石村信太郎 vs 相澤恵司

Written by Daisuke Kawasaki

Load of Magic といえば、関東最大の草の根トーナメントであるのと同様に、大型エキスパンション販売直後に、フライング投入した新環境で行われる事でも有名である。

Deck Teck

現在の日本のデック構築能力がいわゆる「草の根」プレイヤーたちの層の厚さに担われている事はもはや周知の事実であると思うが、「草の根」「新環境」とふたつのキーワードが揃ったこの大会のひとつの華が、構築デックのお披露目にあることは間違いないだろう。

昨年の LoM で披露された八十岡の「《呪師の弟子/Jushi Apprentice》型ヤソコン」が、昨年の世界選手権でのメタの一角を担っていたのは記憶に新しい所であり、今大会であらわれたデックの中からも、きっと今年 12 月に行なわれる世界選手権のメタの一角を担うデックが出てくることだろう。

事実、会場を見渡してみると、時のらせんのカードを積極的に導入したデックあり、またまた、デック自体が「タイムシフト」したものありと非常にバラエティ豊かで心躍る。この環境のデックの分布や、注目デックの解説記事も、明日アップされる予定なので期待されたい。

その一方で、このように新環境になったときに、できるだけ影響の小さい旧来のデックを使用するというのも、有効な戦略であることは否めない。

非常に古い例で恐縮だが、エグゾダス発売直後の 1998 年の Finals において、当時としては実力未知数だった新しいカードである《ドルイドの誓い/Oath of Druids》をフィーチャーした白緑デックを選択した石田格の前に、決勝戦で立ちはだかった塚本俊樹が使用していた nWo (現在良く知られる《適者生存/Survival of the Fittest》を利用したタイプではなく、《自然の秩序/Natural Order》《生ける屍/Living Death》を利用したタイプ)は、新しいカードが全く使用されていないデックであった。

適切かどうかわからない例を挙げてしまった気もしないではないが、とにかく、すでに実力が証明されているデックを使用するのは、戦略として安定感があり、それを好むプレイヤーも少なからずいるということである。

さて、そんな「実力証明済み」デックの代表格であり、今大会のメタの一角を確実に担うであろうと目されるデックが、赤青のイゼットロンである。

神河ブロックの退場により、《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》といったフィニッシャーを失ったものの、キャントリップの多用によるドロー強化と、なにより「ウルザトロン」そのものというシステム自体が丸々残っており、時のらせんからは《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》という、ボードコントロールとフィニッシャーをかねたトロンお得意の「マナさえあれば」強力なカードも手に入れた。

イゼットロン自体の強さは昨年一年間でトーナメントプレイヤーであれば誰もがいやというほど実感しているところであり、そんなデックがむしろパワーアップしていると聞けば、使用しようと考えるプレイヤーが多いのも当然であろう。事実、中島・三田村という「 D-25 」メンツをはじめ、「英知」板東潤一郎と多くのプレイヤーに使用されている。

そんなイゼットロン使いの中から今回フィーチャーされたのが、相澤恵司。初代東京選手権チャンピオンであり、関東の草の根の世界では「超」がつくほどの有名プレイヤーである。関東のトーナメントシーンになじみの少ない方でも、「 AKKA 」といえば、少なくともその名前を目にした記憶はあるのではないかと思う。

フィーチャーマッチでは抜群の勝負弱さを発揮すると評判の相澤と対峙するのは、石村信太郎。高校選手権準優勝経験も持つ、こちらも関東では知られた強豪である。

そんな石村が使用するデックは白緑のセレズニアデック。

こちらも、世界選手権で森勝洋をチャンピオンに導いた事でもおなじみのように、実力は保障つきであり、また、神河で失うものが少なかったデックタイプでもある。こちらも時のらせんで《セロン教の隠遁者/Thelonite Hermit》という強力な援軍を得ており、かなりの安定感を匂わせている。

イゼットロンとセレズニアという、新環境でも生き残りうるポテンシャルをもったデック同士がぶつかり合うことになったこの対戦。

対戦相性は、ほぼ、イゼットロンの圧勝といっていいくらい一方的なものではあるが、相澤には「フィーチャリングマッチでは勝てない」というジンクスもある。

ロジックとオカルト、科学主義と神秘主義の対決ともいえるこの対決を制するのはどちらか。

Game 1

相澤恵司

ダイスロールは勝利して先攻を取ったものの、マリガンスタートという何かしら暗示めいたスタートとなった相澤。こうなると、先攻を取れたのも、手札の枚数を減らさせる為の罠なのではないかとかんぐってしまいたくなるくらいだ。

1 ターン目に《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を出してマナ加速した石村の《ヤヴィマヤのドライアド/Yavimaya Dryad》《番狼/Watchwolf》を連続して《マナ漏出/Mana Leak》し、一見順当に見えるスタートである相澤だが、キャントリップによるドロー加速が重要なファクターであるイゼットロンにおいて、ここで一度も《差し戻し/Remand》をうてていないのが、地味に見えて実に痛い。

そして、相澤はそのまま、4 ターン目に土地が止まってしまう。

大量のマナが存在意義であるイゼットロンがマナが出ない以上、もはや相性差も関係ない。

石村の《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》《セロン教の隠遁者/Thelonite Hermit》といった後続をさばききれない相澤は手札に、解決策となる《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》を 2 枚握ったまま、土地を片付けた。

相澤:《電解/Electrolyze》をひけてれば…

石村 1-0 相澤

Game 2

石村信太郎

つづいて先攻を選択した相澤だったが、ここでまたもマリガン。しかも、2 回。

そして、案の定土地が 2 枚で止まってしまう。《イゼットの印鑑/Izzet Signet》《虹色のレンズ/Prismatic Lens》といったマナアーティファクトはある程度場に出せているため、少々はマナをのばしているのだが、イゼットロンの魅力がウルザトロンという「土地」による爆発的なマナ加速である事を考えると、やはり厳しいとしか言いようのない状況である。

一方の石村は、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《ヤヴィマヤのドライアド/Yavimaya Dryad》と順調にマナを加速しつつ、場に《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》や裏返し状態の《セロン教の隠遁者/Thelonite Hermit》を展開し、クロックを強化していく。

《強迫的な研究/Compulsive Research》をうつものの、土地を置けない相澤。石村のアタックでライフは 13。場には 5 点分のクロックが展開されている為、相澤の残りターンは 3 となった。

かにみえたが。

先のターンに《撤廃/Repeal》された《セロン教の隠遁者/Thelonite Hermit》を出すかと思われた石村が、場にだしたクリーチャーは《幽体の魔力/Spectral Force》

Spectral Force

このパワー 8 の強力なファッティによって次のターンに予想される相澤のダメージは 13。相澤の残りターンが一気に 1 に縮められる。

なんとしても対抗策を探り当てなければいけない相澤。次のターンに《幽体の魔力/Spectral Force》がアンタップしない事を確認すると、《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》《電解/Electrolyze》をうち、なんとか 2 ライフを守りきる。

場に残された石村のクロックは 2 体のタフネス 1 クリーチャー、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《ヤヴィマヤのドライアド/Yavimaya Dryad》

次のターンに、石村は《セロン教の隠遁者/Thelonite Hermit》を「変異」で追加してくると思われるが、手札に《撤廃/Repeal》《電解/Electrolyze》を握る相澤は、次ターンを凌ぎつつ、キャントリップでドローを進める事が可能だ。

すでに、場にはウルザトロンが 2 枚まででている。ここでのドロー次第では逆転も十分に可能である。

希望を託して、相澤はターンを終了した。

そんな相澤の希望を刈り取るような、《撤廃/Repeal》に対応した《照らす光/Bathe in Light》

石村 2-0 相澤

Winner is 石村 信太郎 !

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