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Lord of Magic Championships 2006


2nd Draft Pod 3:石田格・浅原晃

Written by Daisuke Kawasaki

上位では激しいせめぎあいが予想される LoM 2 日目。

ここでは、「英知」板東・「王子」清水といった実力者の集まる第 2 Pod のなかでも、「関東の両巨頭」と呼ぶのに依存は無いであろう、石田格・浅原晃の並ぶ 7 番 8 番席のピックを中心に追っていこうと思う。

シドニー帰り勢のひとりであり、この環境のリミテッドでは相当練習を積んだという石田と、常にドラフトでも G.o.D. な浅原という非常に興味がある。

着席順

  1. 大野勇雄(東京)
  2. 板東潤一郎(茨城)
  3. 秋山貴志(千葉)
  4. 細野靖人(神奈川)
  5. 清水直樹(神奈川)
  6. 武田浩樹(山梨)
  7. 石田格(東京)
  8. 浅原晃(神奈川)

まずは、第 1 パック。

■ Pack 1

左:石田格、右:浅原晃

石田格

  1. 《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》
  2. 《拭い捨て/Wipe Away》
  3. 《時間の孤立/Temporal Isolation》
  4. 《雷のトーテム像/Thunder Totem》
  5. 《珊瑚のペテン師/Coral Trickster》
  6. 《時エイトグのトーテム像/Chronatog Totem》
  7. 《水深の予見者/Fathom Seer》
  8. 《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》
  9. 《精神攪乱/Mindstab》
  10. 《ジェディットの竜騎兵/Jedit's Dragoons》

浅原晃

  1. 《ファイレクシアのトーテム像/Phyrexian Totem》
  2. 《絞殺の煤/Strangling Soot》
  3. 《早すぎる埋葬/Premature Burial》
  4. 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
  5. 《流動石の媒介者/Flowstone Channeler》
  6. 《ミラーリ/Mirari》
  7. 《ゴルゴンの世捨て/Gorgon Recluse》
  8. 《流水の海蛇/Slipstream Serpent》
  9. 《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
  10. 《隻眼の巨人/Cyclopean Giant》

Errant Ephemeron

自身も、青のコモンで一番という《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》からスタートとなり、昨日の第 1 ドラフトでも使用した、青白待機飛行デックへの順当な第一歩となった石田。

ちなみに、初手でのほかの候補は、《機械仕掛けのハイドラ/Clockwork Hydra》。こちらも、カードパワーは十分だが、やはり、青白をやる上で欠かせないパーツである《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》を優先したようだ。

続くピックでは、《拭い捨て/Wipe Away》《時間の孤立/Temporal Isolation》、そして《水深の予見者/Fathom Seer》と、スペル枠は充実させた石田だが、クリーチャー、特に肝心の待機持ちのフライヤーがピックできず、第 2・第 3 パックに期待せざるを得ないファーストパックとなった。


一方で浅原。他にめぼしいカードが《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》ぐらいしかないというパックで、まずは《ファイレクシアのトーテム像/Phyrexian Totem》をピック。

ちなみに、本人曰く、決めうちというわけではないが、やはり黒や青を好むという。

どうしても、鉄のように重いカード「鉄板」中心のデックになりがちだが、しかしパワーカードを愛する浅原らしいチョイスであるともいえるだろう。

続く 2 手目で、黒最強コモンとの呼び名高い《絞殺の煤/Strangling Soot》をピックし、3 手目 4 手目でも除去である《早すぎる埋葬/Premature Burial》《堕落の触手/Tendrils of Corruption》をピックすることに成功する。

青が被っているものの、お互いが必要とするパーツには若干の差異があることもあり、ある程度の協調には成功している。

この環境はマナサポートが少ない為、ラヴニカ・ブロックで当たり前であったような 3 色のピックをすると、デックが不安定になりがちである。したがって、できるだけ 2 色で強力なカードを固める必要があり、上下の色を読んだり操作したりして、協調することを強調したピックが重要となってくる。


ちなみに、このポッドの残りの 6 人のファーストピックは

となっている。

ちなみに、秋山のパックからはレアとして《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》が登場しているが、「 8 マナは重い」という判断から、秋山は《大火口のカヴー/Firemaw Kavu》を優先している。

■ Pack 2

石田格

  1. 《魔女狩り師/Witch Hunter》
  2. 《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel》
  3. 《疾風衣の騎兵/Gustcloak Cavalier》
  4. 《歪んだ爪の変成者/Crookclaw Transmuter》
  5. 《取り消し/Cancel》
  6. 《城の猛禽/Castle Raptors》
  7. 《トレイリアの歩哨/Tolarian Sentinel》
  8. 《彩色の星/Chromatic Star》
  9. 《流水の海蛇/Slipstream Serpent》
  10. 《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel》

浅原晃

  1. 《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》
  2. 《オークの連続砲撃/Orcish Cannonade》
  3. 《捕縛の言葉/Word of Seizing》
  4. 《嵐雲のジン/Stormcloud Djinn》
  5. 《オークの連続砲撃/Orcish Cannonade》
  6. 《冥界の裏切り者/Nether Traitor》
  7. 《水深の予見者/Fathom Seer》
  8. 《ぶどう弾/Grapeshot》
  9. 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
  10. 《トレイリアの歩哨/Tolarian Sentinel》

石田:2 パック目の初手、失敗でしたね……。

ドラフト後の構築時に、石田はこう語った。

他の選択肢として《ダスクライダーの大隼/Duskrider Peregrine》があり、そちらをピックしておくべきだったというのだ。


石田:デッキ的に、2 ターン目にクリーチャー出すなり、待機するなりのアクションが出来るかどうかが生命線なんで、もう少し確保しておくべきでしたね。

との事。待機によって、早いターンから動く事が可能になっただけに、むしろその長所を活かせなければデックとして成立しないということなのだろう。

また、5 手目という、比較的早い順目でピックしている《取り消し/Cancel》に対しては非常に高い評価をしているという。

石田:青白系の必須パーツだと思ってますよ。序盤から動いて、相手の重いスペルに蓋をするのが勝ちパターンのひとつですから。


ちなみに、石田は 3 パック目でも《取り消し/Cancel》をピックしているが、さすがに 2 枚はデックに入れられないとも語っている。よほど相手のデックが重いデックであれば、サイドボードで入れるかもしれない……とのことだが。

このパックの 11 手目は《高位の秘儀術師、イス/Ith, High Arcanist》であったことも、付け加えておこう。


一方の浅原のピックだが、むいたパックからでてきたカードは、浅原が大ファンであることでお馴染みの、Jon Finkel こと《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》

多少悩んだものの、色もかみ合っている為、ここは《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》をピック。このピックに関して、浅原はこうコメントしている。

浅原:好きなデックは、フィンケルゴーとポンザですから。フィンケルゴー目指そうと思いまして。


浅原のいいたい事はよくわからないが、きっと一番好きなのは《停滞/Stasis》で、きっと浅原の《停滞/Stasis》は対戦相手の必ず怒らせてしまうのだろうと思われる。

そんな話はもとより、ここで浅原は、順当な性能な火力と、フィニッシャーとなりうる《嵐雲のジン/Stormcloud Djinn》を手に入れている。デックパワーは順当に上がってきているのだが、一方で、全体的にデックが重いのと、シナジーにかけるのが気になるところだ。

■ Pack 3

石田格

  1. 《ダスクライダーの大隼/Duskrider Peregrine》
  2. 《補強/Fortify》
  3. 《取り消し/Cancel》
  4. 《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》
  5. 《ヴィセリッドの深み歩き/Viscerid Deepwalker》
  6. 《空飛ぶ男/Flying Men》
  7. 《城の猛禽/Castle Raptors》
  8. 《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》
  9. 《天使の嗜み/Angel's Grace》
  10. 《呪文の噴出/Spell Burst》

浅原晃

  1. 《大火口のカヴー/Firemaw Kavu》
  2. 《水深の予見者/Fathom Seer》
  3. 《ゴルゴンの世捨て/Gorgon Recluse》
  4. 《吸血スリヴァー/Vampiric Sliver》
  5. 《流動石の媒介者/Flowstone Channeler》
  6. 《フォライアスのトーテム像/Foriysian Totem》
  7. 《地の底のシャンブラー/Subterranean Shambler》
  8. 《走り回る大怪物/Skittering Monstrosity》
  9. 《断骨スリヴァー/Bonesplitter Sliver》
  10. 《断骨スリヴァー/Bonesplitter Sliver》

ここで、とり逃した《ダスクライダーの大隼/Duskrider Peregrine》を確保することに成功する石田。さらに、4 手目という遅めの順目で《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》を手に入れることに成功し、2 マナ域の「待機」は十分に確保することに成功する。


石田:しかし、2 マナ域のクリーチャーが細いんですよね……。

確かに、《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》あたりしか使用に足るクリーチャーがいないのが厳しいようだ。


石田:そんなことより、問題はこのアーキタイプの必須パーツが取れなかった事ですよ。

---その必須パーツとは?

石田:《ジョイラの時虫/Jhoira's Timebug》ですよ。3 パック目は 2 手目以降ならいつでも取ったんですけど……どうやら出なかったみたいですね……。


待機デックの動きを加速させ、一気に場を制圧させる《ジョイラの時虫/Jhoira's Timebug》は、地味に見えて重要なパーツだという。

ちなみに、一見同じような動きをするように見える《時計回し/Clockspinning》はピックしている石田だが、その実は全くの別物だという。やはり、マナがかかるか、かからないかは大きいらしい。

「 50 点」と評する石田ではあるが、マナ域もキレイに散らばった、お手本のようなデックであると筆者は思う。

ちなみに、昨日も青白を作っていたことに関して質問すると、

石田:基本的に、青白赤からデッキを作りますね。1 パック目は青を取って、赤や白をつまみぐいしつつ、2 パック目で確定させるかんじが多いですね。

とのことだ。


さて、浅原のファーストピックは《大火口のカヴー/Firemaw Kavu》なのだが……。

浅原:実は、《トレイリアの歩哨/Tolarian Sentinel》 2 パック目で取ってるのを忘れてて、失敗したなぁとか思ってました。


他の候補は《奈落のしもべ/Liege of the Pit》だというから、浅原らしい。ただでさえ重めな「鉄板」デックになりそうなのに、なおも重戦車を投入しようというのか。

と、思いきや、「《嵐の束縛/Stormbind》もありでしたね。4 色で」とも言い出す浅原。たしかに、《嵐の束縛/Stormbind》を流すのは気がひけるかもしれないが、さすがにこれだけ重いデックが 4 色になってしまうのは鉄板過ぎるのではないだろうか。

他は非常に順当なピックである。2 手目の《水深の予見者/Fathom Seer》に関しては「非常に好きなクリーチャー」といい、常に積極的にピックしていた浅原なのだが、今回のデックは、黒赤タッチ青という形に落ち着きそうであり、2 枚の《島/Island》を要求する《水深の予見者/Fathom Seer》の運用は厳しそうだ。

浅原に聞いてみた。

---勝てそうなのか?

浅原:否!

---重すぎなのか?

浅原:否!鉄板!


というわけで、鉄のように重い「鉄板」となった浅原ではあったが、個々のカードパワーの高さは疑いようの無いものではあり、爆発力には期待できる仕上がりとなっている。


他の席についても簡単に触れておこう。

まずは、一番卓の大野。

上記のように、上の石田と浅原がそろって緑を嫌っており、その上の武田も緑を選択していないため、ほぼ緑を独占している形となっている。

さて、ふたりの逆サイド、武田も緑を選択していないのは前述の通りだが、では武田のチョイスはというと、白である。卓で白を選択したのは、石田と武田のふたりだけであり、武田は、石田が「不足していた」と言っていた白の軽量クリーチャーを上家の権限で独占していたのである。

ただし、白の軽い部分を独占した時のうまみであるレベルエンジンが、リクルーターである《アムローの偵察兵/Amrou Scout》 1 枚を含む 5 枚しか取れていないのが不安材料ではある。


その上の清水は、青緑タッチ赤というテンポ型のビートダウンをくみ上げている。

清水:このアーキタイプだと、このカードが強いんですよ。

と、清水が筆者に見せてくれたのは、《時間の渦/Temporal Eddy》。序盤にクロックを用意し、《時間の渦/Temporal Eddy》《拭い捨て/Wipe Away》で相手のテンポを阻害するという、非常に明確なヴィジョンをもってピックを進めたという。

ちなみに、タッチで採用したカードは、《大火口のカヴー/Firemaw Kavu》と……

清水:初手の《特務魔道士ヤヤ・バラード/Jaya Ballard, Task Mage》ですね。


ダブルシンボルでタッチ?とも思うが、《特務魔道士ヤヤ・バラード/Jaya Ballard, Task Mage》《荒廃の巨人/Desolation Giant》というダブルシンボルの 2 枚のカードだけをタッチしている栗原の例もあるだけに侮れない。

清水いわく、貯めランドが色マナを供給すれば十分に可能だと言う事だ。


そのあおりを食らった形になったのが、4 番卓の細野。

前述の通り、秋山が 2 手目に流してきた《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》を取り、その後も《スカーウッドのツリーフォーク/Scarwood Treefolk》などといった、緑をやれというシグナルが送られてきたのだが、逆周りの 2 パック目は清水で緑が完全にストップ。結局初手の《突然の死/Sudden Death》を生かす形となる赤黒の除去+中量級デックとなった.


さて、2 番席に座る板東の構築をみにいくと、隣に座っている有田隆一が筆者に話し掛けてきた。

有田:こいつはひどいわ。60 枚で組めるとかいってる。

板東のピックしたカードをみると、《センギアの吸血魔/Sengir Nosferatu》をはじめ、青と黒の強力カードが大量に揃っていた。たしかに、60 枚で組む事すら不可能では無さそうだ。

板東:下との協調がうまくいきましたね。かなり強いカード流しまくったお陰で、強いカードが流れまくってきましたよ。

と語る板東。そこに有田がツッコミを入れる。

有田:でも、アレはなしやったな、さすがに。


そのアレとは?

秋山:えぇ、4 手目ですよ。


そういって秋山が見せたのは《嵐の束縛/Stormbind》

そう、浅原が初手で流した《嵐の束縛/Stormbind》が、ここまで流れてきていたのだ。

秋山:火力が取れなかったんですよね……。


とはいうものの、《嵐の束縛/Stormbind》《突風線/Squall Line》のふたつの強力スペルをもった、強力な赤緑デックに仕上がっている。

そんな秋山と、石田の対戦がラウンド 7 のフィーチャリングマッチとなっているので、参照されたい。

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