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Lord of Magic Championships 2006


決勝: 浅原晃 vs 鈴木貴大

Written by Daisuke Kawasaki

ついに二日間にわたった LoM も、いや、一年間にわたる 2006 年 LoM シーズンも、残り一戦となった。

決勝のテーブルで多くのギャラリーが見守る中、デュエルに望むふたりのプレイヤーは、浅原晃と鈴木貴大。どちらも、もはや説明不要の、トッププレイヤーであり、またトップデックビルダーである。

すでに、このふたりのプロフィールについても、デックについても散々に語りつくされたので、簡単に説明するだけに留めたい。決勝くらいは余計な前置き無しでいきたいものだ。

鈴木のデックは、新環境に対応した、「太陽拳」こと、ソーラーフレア。このデックもまた、鈴木がチューンしたデックのひとつである。

一方の浅原のデックは、デックのどこを切り取っても「浅原」と名前が書いてあるような《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》デック「神砂嵐」。

奇しくも、某少年雑誌の必殺技対決となった、この対戦、どちらも必殺技と呼ぶにふさわしい決め技を持っている点でも共通していると言えるかもしれない。

試合開始前に、何故かデックを交換して、互いにひとり回しを開始するふたり。

鈴木:とてもじゃないけど回るとは思えない。

浅原:デック見られるの今回はさすがに恥ずかしいですね。

Game 1

Persecute

ダイスロールで先攻は浅原。

《シヴの浅瀬/Shivan Reef》セットからの《祖先の幻視/Ancestral Vision》《睡蓮の花/Lotus Bloom》待機という順当な立ち上がり。

一方の鈴木も、2 ターン目には《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》をキャストする、ソーラーフレアとしては理想的な動きをみせる。

しかし、土地 1 枚からスタートした浅原、2 枚で土地がストップする。

そこで、鈴木は《強迫的な研究/Compulsive Research》

ここで、浅原の秘密兵器である《時計回し/Clockspinning》《祖先の幻視/Ancestral Vision》に向かって使用され、続くターンのアップキープに、浅原は《祖先の幻視/Ancestral Vision》《睡蓮の花/Lotus Bloom》を同時にキャストする事となる。

あわや、3 ターンキルかと思われたが、浅原が通常ドローとあわせてひいた 4 枚のカードはコンボをスタートさせるのには十分ではなく、土地を置いて、新たな《睡蓮の花/Lotus Bloom》を待機させてターンを終了する。

そこに突き刺さる鈴木のスペルは、ソーラーフレアの強さの片輪ともいえる《迫害/Persecute》。宣言はもちろん赤。この必殺技の前にすでに 6 枚あった浅原の手札は、一気に 1 枚へと削られてしまう。

当然、何も出来ず、ターンを終了する浅原に追い討ちをかけるようにキャストされるのは、もう片輪である《戦慄の復活/Dread Return》、先ほどの《強迫的な研究/Compulsive Research》で墓地に送られていた《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》が場に登場する。

その後、浅原は《睡蓮の花/Lotus Bloom》《時計回し/Clockspinning》しかドローすることはなかった。

鈴木 1-0 浅原

Game 2

1 ターン目に《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》から、《均衡の復元/Restore Balance》を待機させる浅原。これまでに一度もサイドボードから投入されなかったというスペルがついに日の目を見る。

さすがに、《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》だと思われたデックがいきなり《均衡の復元/Restore Balance》デックになる姿は「流石」もしくは「異常」としかいいようがなく、ギャラリーからも「すげぇ……」とため息ともつかない感想が漏れる。

気にせず浅原は、続いて《睡蓮の花/Lotus Bloom》も待機。

鈴木もまた、第 1 ターンに《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》をセットしたため、お互い《平地/Plains》でもあるショックランドをサーチする事となる。

続くターンに、鈴木は《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》をセットし、《均衡の復元/Restore Balance》が待機中である事もお構い無しに《迫害/Persecute》をキャスト。当然宣言は赤。またも、浅原の手札のスペルたちが墓地へと落ちていく。

続いて、《祖先の幻視/Ancestral Vision》をドローし待機させた浅原だったが、鈴木は、浅原の《均衡の復元/Restore Balance》の待機が終了する前に、《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》をフルタップでキャストする。

Restore Balance

挙動から、手札に《差し戻し/Remand》があることは間違いないと思われる鈴木。このターンになんとかしたい浅原のドローは《時計回し/Clockspinning》《煮えたぎる歌/Seething Song》で手札を消費し、手札を 0 にしての《時計回し/Clockspinning》によって、《均衡の復元/Restore Balance》の待機を強制的に終了させ、一気に場をひっくり返す。


これにより、手札と、場のクリーチャーを失った鈴木。

なんとか、《強迫的な研究/Compulsive Research》によって手札を補填し、2 体目の《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》をキャストする。

一方の浅原は《祖先の幻視/Ancestral Vision》での 3 枚のドローによってアドバンテージは得たものの、いま一つ、内容が芳しくない。

新たに《祖先の幻視/Ancestral Vision》を待機させ、《時計回し/Clockspinning》のバイバックによって強制的にドローを掘り進める。

そして、ついに、《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》を引き当て、キャスト。《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》のお供であるコウモリトークンと、鈴木の本体に 5 点のダメージを割り振る。鈴木は一言「そのままでてきた……」。

余談だが、筆者の知る限りでは、浅原のデックは、《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》をストームで撃つよりも、《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》をそのままキャストして勝つことのほうが多い。もう、何デックだかわからない感じだったりするのだが、それでも勝ち進めるのが浅原のすごいところだ。


返しのターンで鈴木は《神の怒り/Wrath of God》をキャスト。これを《差し戻し/Remand》《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》でのアタックをする浅原ではあったが、残る手札は、《時計回し/Clockspinning》と土地のみ。結局《神の怒り/Wrath of God》でのリセットを許してしまう。

そして、鈴木が《絶望の天使/Angel of Despair》をキャストする事で、優劣は一気にひっくり返る。

さらに《ゾンビ化/Zombify》で墓地から《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》が釣り上げられると、浅原は次のドローも土地である事を確認した。

鈴木 2-0 浅原


Lord of Magic 2006 Champion: 鈴木貴大

最初は、昨年度の世界選手権でデックビルダーとしてその名を全国に知らしめた鈴木貴大。

そして、今年の日本選手権では、プレイヤーとしての実力も確かである事を証明した。

しかし、トッププレイヤーには、実力だけでなくある種の勝負強さが求められるのも事実である。安定した成績を残すだけでなく、突出した成績を残すには、場数とある種のきっかけが往々にして必要なものなのだ。


たしかに、この LoM はプレミアイベントではない。

だが、関東最大の「草の根」トーナメントである一方で、名だけでなく実もまた「関東最強を決めるトーナメント」にふさわしかったといえるだろうこの大会。

いまだ「草の根」という枕詞をもって語られることが少なくない鈴木だが、今回の優勝が、鈴木の更なる躍進のきっかけとなるだろう。

おめでとう、Lord of Magic 2006 チャンピオン、鈴木貴大!

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